前回までに、学校組織の基本的な構造(マトリックス組織)と新しい組織経営(マネージャー制)について述べてきました。
ここでは、学校における組織的対応の基本について述べたいと思います。
よく、集団で仕事をする上で重要なのは「報・連・相」と言われます。報告、連絡、相談をいつも心がけて仕事をしましょう。ということですが、組織論上は上司からの「指示(命令)」と上司への「報告」しかありません。これは、連絡や相談が必要ないということではなく、連絡相談は潤滑油みたいなもので、無いと組織は硬直し、成果を上げることはできないでしょう。
例えば、最も最初にできた組織は軍隊です。軍隊の場合上司が指示(命令)したら、命令を実行し、その結果を上司に報告して、仕事を完了するだけの話です。その間、誰かに相談したり、他の部局に連絡することはありません。連絡が必要な場合はそれを含めて指示・命令が行われているからです。
如何せん学校においては長い間組織的対応ということが、曖昧にされてきました。ここ数年になってつまり「学校組織マネジメント」とという概念が一般的になってから、組織的対応の必要性に迫られてやっと、指示(命令)と報告、そして連絡・相談の意味がはっきりとしてきました。
上の図は一般的な学校における「指示(命令)」と「報告」のイメージです。指示(命令)には必ず報告が一つ対応するのが原則です。連絡・相談については図の右下に示すように、上位・同位区別なく行われて構いません。具体的には一般の教諭の先生が、教頭先生や主幹教諭に相談するのはよくあることです。連絡は体育館の使用割りの変更など学年間で行われたりすることで、指示や報告ではありません。
また、校長(トップリーダー)への相談は組織として好ましいとは言えないでしょう。なぜなら、トップリーダーは最終決定者だからです。
蛇足ですが、◯◯会議などで、会議の最後に「では、先生方、会議で決まったことよろしくおねがいします。」というのは、校長の指示・命令にあたります。つまり、担当者はその後進捗状況等について「報告」の義務を負うということです。もちろん直接校長に報告せず、上司に報告するのが一般的です。例えば、6年生の修学旅行についての話であったら、上の図に示すように6年の主任が教務主幹へ報告し、主幹教諭が教頭へ、教頭は校長へと報告するということです。
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