時代が求める学校組織 マネージャー・チーフ制

一般的な学校組織は次のような横軸の学年部に縦軸の生徒指導部や教育課程部などが位置づいているマトリックス組織です。この組織の構造上の課題として2人の上司による構成員の葛藤(コンフリクト)が生じるということです。

 グラフはある地域の中学校の教職員の経験年数構成です。その年の私が赴任した中学校もほとんど同じ状況でした。経験5年未満が半数以上、いわゆる働き盛りというか学校の中核となる中堅が少なく、学校のリーダーとなる教務主任、研究主任、生徒指導主事、進路指導主事、学年主任と柱となる人材が足りません、しかも経験年数が短い人ばかりというとき、人材の有効活用と人材育成(の2つの観点から、マネージャー・チーフ制と呼ぶ次のような新しい組織を考えました。

教務主任(主幹教諭)と生徒指導主事(主幹教諭)そして、研究主任の3人のリーダー的な働きができる者をマネージャー(M)と命名し、それぞれの学年組織のトップに位置づけます。そして、これまで学年主任としていた者をチーフ(C)と呼び、学年のサブリーダーとします。それぞれの役割を次のように割り当てました。

マネージャー(M)

学年の責任者、学年内の最終決定者、学年のコントロール、学級担任外

チーフ(C)

 学年のサブリーダー、学年事務の主担当、学級担任(原則)

 経験と実力のある主幹教諭等を学年組織のトップに組み込むことで、学年運営が安定します、また、冒頭述べたような中堅層が少ない学校では、どうしても経験の少ない者に学年主任を任せなければならなくなりますが、責任と決定権をマネージャーに託しているため、安心して学年運営にあたることができます。さらに、マナージャーから直接の支援を受けることにより、単独で学年経営を行うのに比べ、格段に経営力が向上すると考えました。そして、学校組織が持つ構造上のリスクである2人の上司による構成員の葛藤を和らげることにも繋がると思います。

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