(1) いじめられた児童生徒(被害者)への対応
最も重要なことはいじめを受けている(受けていると思われる)児童生徒の安全確保を最優先に対応することです。学校が対応を始めたことにより、その後は被害を受けないようにします。授業中、休み時間、放課後など複数の教職員等が観察したり、保護者の意向を踏まえて登下校時に教職員等が付き添ったりして、安全確保に努めます。
また、いじめられた児童生徒の不安や心理的ストレスを解消するため、保護者の意向を踏まえスクールカウンセラーとの面談を通して心のケアに努めます。
安全確保の次に、正確な事実確認を行います。その際、いじめられている児童生徒は仕返しを恐れたり、無力感・屈辱感を感じていたり等、自分がいじめられていることを認めたがらない場合があることを理解し、共感的理解に努めながら聴き取ることが重要です。
最も重要なことはいじめを受けている(受けていると思われる)児童生徒の安全確保を最優先に対応することです。学校が対応を始めたことにより、その後は被害を受けないようにします。授業中、休み時間、放課後など複数の教職員等が観察したり、保護者の意向を踏まえて登下校時に教職員等が付き添ったりして、安全確保に努めます。
(2) いじめた児童生徒(加害者)への対応
いじめた児童生徒はいじめの事実を認めようとしない場合があります。また、自らの言動をいじめと認識していない場合もあります。事情を聴く教職員は決めつけたり感情的になったりせず、冷静かつ客観的に事実を確認することが重要です。教育的配慮のもと「毅然とした粘り強い対応」を心がけ、いじめられている児童生徒の気持ちを認識させることも大切です。
事実確認においていじめた児童生徒が複数の場合は、必ず複数の教職員で別室にて同時に事実を確認します。
その際、事実確認と指導は明確に区別して行うことが重要です。
(3) 関係者への報告と対応策の確認
いじめの事実を確認後、速やかに時系列で整理して校長に報告し、いじめの態様に応じて校内いじめ対策委員会を緊急に開催するなど、対応の方針や具体的な支援策等を確定します。また、両方の保護者には複数の教職員(報告、記録)で事実関係と今後の対応を正確に伝えることが大切です。さらに、いじめの態様や状況によっては、いじめを助長したり見て見ぬふりをしたりする人等がいることも想定し、学級・学年集団への指導を行うことも必要になります。
(4) 具体的な対応の流れ
① 安全確保(被害者)
いじめが発見された場合、最初に行うことはいじめられた児童生徒の安全確保です。
いじめられている本人や情報提供を行った児童生徒を徹底して守るために、「休み時間」
「清掃時間」「放課後」「登下校」等、全ての時間に教職員の目が届く体制を整備します。
② 正確な事実の把握(被害者・加害者)
いじめられている児童生徒の立場や発達段階を考慮して、共感的理解に努めながら丁寧に聞き取りをします。担任一人に任せず、組織的に対応する必要があります。
確認のポイント1だれが(加害者)、だれを(被害者)いじめているか 2いつ・どこで3いじめの内容 4いじめの背景 5期間 6周囲の状況(はやしたてている人等) |
③ 校内いじめ対策委員会の開催
校内いじめ対策委員会を開き、対応の役割分担等を具体的に決め、組織的に対応します。
④ 心のケア(被害者)
いじめられている児童生徒に「あなたを守りぬく、全面的に支援する」ことを伝えて安心感をもたせ、心のケアを行います。被害児童生徒の状況を踏まえ保護者にきちんと報告したのち、保護者の同意のもとでスクールカウンセラーとの面談を実施します。
⑤ 家庭への報告・態様に応じた指導
・家庭への報告(被害者・加害者)
いじめの事実を確認し「校内いじめ対策委員会」で整理した後、校長の指示のもと保護者(家庭)へ事実関係と今後の対応を正確に伝えます。その際、複数の教職員で家庭訪問し直接伝えます。
・態様に応じた指導(加害者)
いじめの態様には「冷やかし・からかい」「仲間はずれ」・・「金品をたかられる」「パソコンや携帯電話等での誹謗中傷」など様々な態様があります。指導にあたっては態様に応じて適切な指導が必要です。基本的には事実確認を行いながら、行為の理不尽さに気付かせ相手の立場に立って苦しみや痛みを理解させることが大切です。
⑥ 関係機関への連絡
いじめの認知後、態様に応じて教育委員会への報告が必要です。また、状況に応じて児童相談所や警察、病院等との連携が必要になります。
また、「無理やりズボンを脱がす」(暴行)や「本人の裸などの写真・動画をSNS上で拡散すると脅す」(脅迫)などは犯罪行為であり、「いじめ問題への的確な対応に向けた警察との連携等の徹底について(通知)令和5年2月7日」に基づき、警察へ相談や通報をします。
被害児童生徒の状況によって重大事態が疑われる事案が発生した場合は、すみやかに教育委員会への報告も必要となります。
⑦ 全職員での共通理解と検証
いじめ事案への対応については、定期的に校内いじめ対策委員会や全職員で共通理解を図る場を設けることが大切です。その際、それぞれの教職員が有している知識や経験をもとに、本事案を協議することで認識の共有を図るようにします。認識の共有を繰り返すことにより、共通実践に繋がります。
⑧ 観衆・傍観者に応じた指導、集団全体への指導
いじめの状況によっては、いじめをはやし立てていた人や見て見ぬふりをしていた人への指導を行います。また、学級や学年全体への指導が必要な場合は確実に行います。
⑨ 継続観察
いじめが解消したと判断したのちも、継続的に観察し再発していないか確認していくことが必要です。また、学校が行った指導及び関係機関との連携等も含めて、いじめへの対応が適切だったのか検証し、次の指導対応に役立てることが大切です。
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