「不登校は問題行動ですか?」
正解はNOです。問題行動ではありません。不登校とは
不登校とは「何らかの心理的、精神的、身体的あるいは社会的要因・背景により登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるため年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いた」と定義されています。
以前は不登校のことを登校拒否と言っている時代もありました。
平成25年には不登校の児童生徒数は11万9千人となってしまいました。国は不登校に関する調査研究協力者会議を立ち上げ、平成28年7月に最終報告を示しました。その中で、「不登校という行為を問題行動と判断してはいけない。」と明言します。それまでは、生徒指導上の諸課題調査では問題行動の中に不登校は含まれていましたが、これ以降、「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」と名称変更されます。
その後、文科省通知が出され、教育機会確保法で法的に「問題行動ではない」と規定されました。さらに、翌年の学習指導要領では「問題行動と判断してはならない」と示されています。
しかし、
次々と通知文が出される中では、「不登校は、生徒指導上の喫緊の課題である。」と述べられます。
問題行動ではないが、生徒指導上の課題とはどういうことでしょうか?
生徒指導とは、本ブログの生徒指導の1回目に投稿したように、全教育課程や問題行動の指導を通じて「子どもたちが自ら、自己指導能力を獲得し、自己実現や幸福の追求を目指す」ことが生徒指導です。不登校の子供達は世界に類を見ない学校教育を提供しているサービスを受ける機会が少なくなり、生徒指導上の課題がある。ということです。
もう少し述べると、「生徒指導提要(令和4年12月改訂)の中で示された生徒指導の4視点 1自己存在感の感受、2共感的な人間関係の育成、3自己決定の場の提供、4安全・安心な風土の醸成を学校は意図的・計画的に全ての教育活動に機能させています。自己指導能力を獲得するためにも必要な機能だと思います。次に生徒指導提要の中で示された「生徒指導の重層的支援構造」と不登校について見ていきたいと思います。
不登校には4つのフェーズ(段階)あります。未然防止、早期発見、早期対応、継続支援です。重層的構造に当てはめると上の図の右側の青い部分になります。未然防止の魅力ある学校づくり・わかる授業づくり・4観点での教育活動が最下段の発達支持的生徒指導(プロアクティブ、水色部分)SST(ソーシャルスキルトレーニング、SOSを出す力の教育が、課題未然防止教育(グレー部分)、そして不登校の兆候あり、不登校になった場合が課題早期発見対応(黄色部分)さらに、引きこもったり、長期の重篤なケースへの対応が困難課題対応生徒指導として、ケース会議の開催や校外の教育支援センター等での支援となると思います。
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