不登校対応の要点の2番目は「早期発見」です。不登校は年間30日以上欠席したときに不登校といいますが、いきなり連続して30日を超えることはまれです。出席しながら遅刻や早退、欠席を繰り返して不登校になるのがほとんどです。ある県では、「欠席日数+(遅刻+早退)➗️2」の値が15日を超えたら不登校兆候として、不登校にならないようチームを組んで支援を始めることを行っています。これも、早期発見の手立ての1つです。さらに、学校では不登校の未然防止のために、早期発見の手立として、以下の取組が必要です。
1教師によるチェックリスト
あらかじめ用意されたチェックリストをもとに、朝の会、授業中、昼休み、帰りの会などで子どもたちの様子を観察し、定期的にチェックしていく方法です。チェックリストの例はネットなどで検索すれば、たくさんヒットすると思います。(検索:不登校 チェックリスト)
2様相観察
1のチェックリストによく似ていますが、こちらは項目など無しに、教師がその時その時の子どもの様子を観察し「顔色悪いな」「いつもと違って元気がないな」「何か悩んでいるのかな」などと、みとるものです。ベテラン教師になるほどこの観察眼は信頼度を増すと思います。
3アンケート調査
定期的に「学校生活アンケート(例)」と題して定期的に行うものです。学校によっては「いじめ」を発見するアンケートと複合しているものもあります。要は子どもたちの不安や悩みを把握するための調査です。以前と違って教師と子どもたちとの共通の時間はめっきり減りました。教師に相談する時間も機会も減っているのが現実です。全員へのアンケート調査を通して、子どもたちのSOSを捉えるものです。
4教育相談
年間2回〜3回定期的に位置づけられた教師と子どもの教育相談です。教師と子どもが1対1で面と向かって話をします。子どもたちの話をしっかり聴くことが大切です。教育相談を十分意味のあるものにするためには、教師のカウンセリングマインドが求められます。もちろんマインドと一緒にカウンセリングの技術も必要です。
5家庭訪問による保護者面談
保護者との面談です。あくまでもこの時点では不登校や不登校の兆候は現れてない時期の面談ですから、学校での様子や学習の状況等を話すと同時に、家庭での様子や学校では見られない子どもの姿などを聞いて不登校の気配がないか推測します。
6学級集団分析検査
学校生活の意欲と学級への満足度などの尺度で構成された、学級集団の人間関係を分析する市販の検査です。有名なものとしては「Q●検査」や「i-●●●」などがあります。集団からぽつんと離れた位置にいる子どもとかが図の中で見分けられます。ポイントは学年のはじめ頃6月と学級集団が落ち着いてしまっている11月頃に同じ検査を行って、状況を分析することだと思います。また、中学校の2〜3年生ともなると、自分の思いを隠して期待に応えようと意図的に答える子どももいるようなので、分析時に配慮が必要です。
早期発見のためには、担任の先生だけでなく、その子どもに関わる教職員をはじめ、養護教諭、スクールカウンセラー、スクール・ソーシャル・ワーカー、中学校では部活動の先生など、日常的に子どもたちの変化を共有することが大切だと思います。
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