不登校 第7回 対応の要点3 早期対応

 不登校対応の要点3番めは早期対応です。

1的確なアセスメント

 早期対応において最も重要なことは、アセスメントです。アセスメントとは、対象となる子どもの情報を収集・分析し、支援計画に活かしていくための状況把握(後には支援の評価も対象となります)です。不登校には多様な要因があり背景も様々です。結果として不登校状態になっていうということであり、その子への支援は適切なアセスメントが必要になります。一般的には「アセスメントシート」を作成し関わっている教職員や関係機関と共有します。

 アセスメントの観点としては一般的に、「身体・健康面」「心理面」「環境面」から多面的に分析することが多いと思います。となると、次の2に示す「チームで対応」が必要になります。

2チームで対応

 不登校の要因や背景は複雑に絡み合っていることがほとんどです。そこで、対象の子どもに関わっている教職員や関係機関の担当者で、3〜4人のチームを組んで対応します。一般的には、担任の先生、養護の先生、スクール・カウンセラー、スクール・ソーシャル・ワーカー、中学校では部活動の担当者など、当該の子どもの状況に応じてチームを編成します。当該の子どもと最も繋がっている者がチームのリーダーとなって、チーム会議の日程調整や支援計画の立案等、組織的に対応していきます。リーダーは担任の先生とは限りません。

 また、チームで対応することは担任の先生一人に任せっきりにせず、担任の先生の負担を軽減することにも繋がります。

 3学校全体で組織的対応

 支援チームでの会議は週1、週2程度が一般的ですが、学校全体として全ての不登校及び不登校兆候の子どもたちへの支援状況を組織的に把握して、対応していくことが求められます。具体的には校長、生徒指導担当、教育相談担当(可能ならスクール・カウンセラー)、各学年からの不登校(教育相談)担当などで編成した「不登校支援会議」「教育相談会議」などの名称で月に1回程度の開催をしましょう。とはいっても先程の支援チームの会議(打ち合わせ)もそうですが、小学校においては会議の時間を確保することが難しい学校が多いと思います。学校の不登校の状況にもよりますが、時間確保に務めることが重要です。学校によっては夏季・冬季休業期間や定期考査週間などを活用することも考えられます。

 その際、不登校の子どもの状況を人目で把握できるような資料が必要となります。その例を下に示します。ダウンロードしてお使いください。

  上の資料は中学校用に作成したものですが、小学校からの欠席日数を記載していることで、いつ不登校になったのか、そして直近2週間ほどの出席の状況等から今日現在の状況はどうなのか、など追跡して行くことが可能です。また、実際の支援内容と今後の支援策も見ることができ、効果的な支援につなげていきやすい一覧表だと思います。

 不登校対応において早期対応は早ければ早いほど効果があります。不安や悩みを抱えいる段階で早期に対応することが不登校を生まないことにも繋がります。

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