いじめが発見されたら、いじめられているではないかと疑いがある時点で、いじめの被害者、もしくは被害の疑いがある子どもの安全確保を行うことを最優先することが重要です。事実関係の把握と確認はその後のことです。
その際、いじめられている子を最後まで守り抜くという強い意志と、指導にあたっては、いじめは人間として絶対に許されないという指導者の基本的認識が大切です。
指導にあたっては、いじめられた子ども、いじめた子どもの指導に限らず、いじめの構造をしっかりと把握し、いわゆる傍観者、聴衆の指導も忘れてはなりません。これを怠るといじめの温床は残ったままとなり、いじめが多発する集団となる可能性が高いと思います。
上図は過去に中学校で用いてきた「いじめ問題に関する報告書」(共有化シート)です。
まずいじめが発見されたら、教頭・校長への報告を的確に行うことが大切です。教職員間での情報共有をスムーズに行い学校の組織的な対応の手立てとします。
その際、情報を正確に素早く伝えるために用意したのが上図のいじめ問題に特化した報告用紙「いじめ問題共有化シート」です。
まず、いじめを発見した教師はこのシートに必要な事項を記入し、生徒指導担当あるいは教頭に報告します。報告の段階では、関係している子どもを図の「1関係生徒」の欄にとりあえず記入し、事実確認の後に訂正する場合もあり得ます。報告の段階ではスピード感をもって対応するのが大切です。指導は加害者、観衆、傍観者に分けて指導することが大切です。
その後、指導の内容などを書き込み、同じ用紙を記録用紙としてファイルに保存しておきます。そのとき、学校全体で生徒指導担当が保存する以外に、関係した学級担任が子ども一人ひとり個別のファイルに記録としてとじ合わせておき、次年度の学級編成時に配慮を要する資料として、次の学年へ申し送るとより正確に引継ができます。
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