ある日好奇心旺盛なカメさんは、山の向こうにはどんな世界があるのだろう?緑の草原?どこまでも続く海?・・・想いをめぐらすうちに、なんとしても山の向こうの景色が見たくなり、遙か彼方の山頂を目指すことにしました。
燦々と照り注ぐ太陽のもと汗をかきながら歩いていると、ものすごい勢いで駆けてきた者がいました。この村一番の韋駄天のウサギさんでした。
「何をしているんだいカメさん。」
「あの山のてっぺんまで行っています。」
「ほー、でもそんなにのろのろ歩いていてはいつ着くかわからないぜ。そうだ、どうだいカメさん、おいらとかけっこで競争しないかい」
ウサギさんは猛烈にダッシュし、かめさんは遙かかなたの後方に見えなくなってしまします。 安心したウサギさんは木陰でちょっと休んでしまいます。
その横を汗を流しながらコツコツ歩いて行ったかめさんは先に頂上へついてしまいました。
山頂で、悔しがっているウサギにカメが言いました。「ウサギさん!きれいだよ、ほら!真っ青な空と海。僕はこの景色が見たかったんだよ。」
なぜ、ウサギは負けたのでしょうか?油断した?
そうですね。自分の方が断然足が速いから負けるわけがない。という油断。それだけでしょうか?
カメはなぜコツコツ全力で休まず歩くことができたのでしょうか?ウサギとカメの決定的な違いは何だったんでしょうか?
二人の目標は頂上へ行くこと
ウサギの目的はカメさんに勝つこと。
カメさんの目的は山の向こうの景色がみたかったこと。
目的の違いがウサギが負けた原因の一つと考えてもおかしくないと思います。
さて、皆さんは、人と競い合うことはたくさんあると思いますが、人に勝つことが目的ではないはずです。自分を成長させることが目的のはずです。
大会で勝利したり立派な成績を上げたりすることを目標にする。そのこと自体はとても大切なことですが、
忘れてならないのは、あくまでも自分自身を成長させることが目的だということですね。
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