学校の危機管理を考えるときに、観点を定めてマネジメントすることが大切です。一般的には学校経営の3観点つまり「組織」「教育活動(教育課程)「環境」が基本ですが、危機管理マネジメントでは加えて「報告体制」が必要になります。ちなみに、教職員の研修は「環境」に含まれます。
整理すると、次の図のようになります。
【組織】
企画会議
危機管理に係る学校の組織は、企画会議(経営会議)は校長が決定する着前の会議になることが多い会議です。通常は校長、副校長、教頭、主幹教諭で編成されることが多い会議です。教育課程の実施状況や学校の重点課題の解決に向けた進捗状況、教職員の不祥事など、経営の根幹に係る会議です。従って、学校の危機管理の状況を常に把握しておく必要があります。
運営委員会
企画会議に学年主任や生徒指導主事、または進路指導主事等を加えて、学校の運営に係る内容を検討する会議です。全職員が危機管理のマネジメントに沿って協働して動くために、共通の意識を持つために定期的に開催する必要があります。
学校において名称は異なると思いますが、生徒指導委員会、いじめ対策委員会、不登校支援委員会(教育相談会議)特別支援教育委員会 などは児童生徒の危機管理に直接関わる委員会です。定期的に開催するのが基本ですが、学校の課題に応じて柔軟に開催することも考えられます。
【報告体制】
事故やいじめ、暴力行為、あるいは保護者からのクレーム、教職員の不祥事等、速やかに校長に報告するシステムが学校には必要です。組織における報告と指示については次回詳しく示しますが、学校が組織的に危機管理を行うための基本は、報告体制の整備だと思います。
【研修】
全ての教職員が共通理解のもと、子どもたちの安全を守り、自分たち教職員の心身と生活を守る、そして学校の教育システムや保護者や地域の信頼を守る危機管理のためには、危機管理そのものの研修といじめ問題や不登校、災害、教職員の不祥事などに関する研修が必要になります。
【教育活動】
危機管理に係る教育活動としては、避難訓練をはじめとした災害時の対応訓練をはじめとして、防災教育や健康教育が考えられます。年間計画に確実に位置づけ、実施することが大切です。特に、最近の気候変動による大雨や猛暑などへの対応は必須です。
規範意識の醸成は教育活動の一環として考えておきましょう。
これまで学校の危機管理における観点について述べてきましたが、最も重要な要素は組織のトップリーダーつまり校長の意識だと思っています。校長の意識と同時に教職員の意識も変わります。
コメント