教職員の危機の特徴
学校の危機管理において、守るものは3つあります。まず1番めは子どもたちの安全(身体・心身)確保です。2番めは教職員の安全(身体・心身)と職です。3番めは学校の施設及び教育のシステムです。
その中で、今回は教職員の危機の特徴について示します。教職員の身体や心身の安全確保については、ほぼ子どもたちと同等だと思います。教職員としての危機は以下の図のように「身分」と「職務」についてリスクが存在します。そのリスクを回避するよう心がけましょう。
《身分に関わるリスク》不祥事として扱われ何らかの処分がくだされます
1 飲酒運転
絶対にしてはならない行為です。内容によってはほぼ免職です。しかしながら教員の飲酒運転は毎年どこかの都道府県で報告されています。
2 わいせつ行為
これも教職員として許させざる行為です。子どもたちは未成年者ですから、その行為は卑劣としか言いようがありません。行為の程度によって、依願退職または懲戒免職となると思います。
3 セクハラ行為
最近では、同僚へのセクハラが目立ちます。いじめの認知と同様に相手が嫌がる性的な言動はすべてセクハラです。
2022年度、わいせつ・セクハラで公立校教員242人処分…10年連続で200人超と新聞は報道していました。
4 体罰
学校教育法第11条に、児童・生徒・学生に対する「体罰を加えることはできない」と示してあり、法律上の禁止行為にあたる行為です。しかしながら、いまだになくならないのが体罰です。体罰は「傷害行為」「危険な暴力行為」「暴力行為」の3種に分けられます。いずれも身体的苦痛を伴うものであり、人権侵害です。
一方、懲戒には、学校教育法施行規則第26条2項に定められている退学・停学・訓告のほかにも、事実行為としての注意・警告・失跡・説諭・訓戒といった形態があります。体罰と懲戒についてはしっかり認識をしておくべきだと思います。
5 情報漏洩
以前は、児童生徒の住所や家族構成などの名簿を電車内に忘れたとか、テストの答案を紛失などがありましたが、最近はデジタル化の進展により、USBメモリの紛失やメールの操作ミスにより情報漏洩など、ICTのスキル不足による情報漏えいが増加しています。処分としては訓告・戒告が多いようです。
《職務に関わるリスク》処分自体は原則ありませんが、研修を受けさせられたり、自ら職を辞する場合もあるようです。
1 指導力不足
指導力には大きく分けて学習指導と生徒指導(問題行動等)があります。私の経験では学習指導と生徒指導は一体になっている感覚ですが、視点としては2つで見ていくことが常套です。授業が成立しない成立させきらない、子どもへの指導ができないなど、教職員としてそもそも不適格ではないかと思われる先生が増えてきました。教員という職自体が人気がなく、私の県では教員採用試験の倍率が1.21倍だったという年もありました。通常の会社では、倍率が3倍を切ると会社があぶなくなると言われています。大学在学中から採用試験を受けられるようにしたり、年齢も59歳まで引き上げたり、いろいろな方法で教員採用に苦悩していますが、教職員全体として指導力は落ちてきていると言わざるをえません。
2 不適切保護者対応
世の中には様々な保護者の方がいらっしゃるのは事実です。いわゆるクレイマーと言われる保護者もモンスターと言われる方もいます。その方々への対応は厳しいものがあるかもしれません。しかし、それ以前に、社会的コミュニケーション不足で事を複雑にしたり、子どもたちへの悪い影響を与えたり、など経験の多少に関わらずいらっしゃると思います。また、同僚との仕事が困難な方や、時代に取り残されているとしか言いようのない、例えば短パン・サンダル履きで授業をしたりなど、いつの時代の教師ですか?と言いたくなるような人もいるおようです。自分自身は「できる」指導力はあると思っていらっしゃるようですが、学校全体から見れば、マイナスの評価だと思います。
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