学校の危機管理 第7回 報告の手立て

 学校事故や児童生徒の問題行動(いじめ、暴力行為等)への対応は初期対応が大変重要であることは言うまでもありません。如何に早く、適切に対応できるかで、その後のダメージの大きさが変わります。事案発生後、組織内で事案の正確な情報を共有するためには、手立てが必要となります。

 そこで、私は次のような報告と記録、そして情報共有のためのシートを用いていました。今回のシートは「いじめ」を除く事案対応用のシートです。「共有化シート」と名付けていました。

 このシートは事案が「誰が」「いつ」「どこで」「どのような」そして現在の対応状況が素早く理解できるよう作成しました。ポイントの1番目はどのような状況であるかを、文章ではなく絵や図で示すことです。複数の児童生徒が関係しているような事案では関係を図に表し、共通理解を素早く正確に行えるようにしているところです。2番目のポイントは記録用紙にもなっているということです。しかも、事案対応の流れも朱書きしながら記録できるところです。

 使い方としては、例えば事案を学級担任が発見したら、学年主任へ最上段の「報告」をマークし、コピーを取って手渡しします。その際、生徒指導主幹、教頭、校長への3枚分もコピーして渡します。会議が必要な場合はその報告シートをもとに話し合います。対応が終わったら、赤で事実の修正をしたり、今後の支援策などを記して「記録」をマークし保管します。個別にファイリングしたのち、年度末に次の学年に渡します。こうすることで当該児童生徒への事案対応の記録が確実に次の学年、学級担任に情報提供ができます。

 もちろん、問題行動の情報は当該児童生徒のほんの一部分であり、称賛される情報や学習やボランティア活動等様々な情報と合わせて共有化することを忘れてはなりません。

 *いじめの共有化シートについては、いじめへの対応の記事で示します。

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