学校経営 第1回  学校経営の3観点

 学校経営を船での航海に例えてみると、学校の行く先、つまり航海の目的地は「めざす子供の姿」となります。法的には人格の完成です。

船において、エンジンの運転や整備を担当する機関部、運行や貨物の管理などを担当する甲板部と呼ばれる部署などが、学校では教育課程部や生徒指導部などの「組織」にあたります。

目的地に向けての毎日の航海が学校では日々の「教育活動」ということです。

航海においては、乗組員の士気を高め、その船の航海に対するポテンシャルを上げる取組が、学校では研修にあたると考えられます。また、燃料や食料や資金、さらに乗組員や航海を支援する陸地からの情報も航海に欠かすことはできません。研修と情報を合わせて学校では「教育環境」と考えていいでしょう。

航海で最も大切なことは無事に目的地に到達することです。そのためには、その時、その時の海流や風など状況に応じて、船の速さや舵取りの具合をどうするかや、積み荷や乗組員の安全を確保しどのように航海するかなど、運航のための「仕組み」が必要となります。学校も学力向上の「仕組み」、規範意識の醸成の「仕組み」など様々な「仕組み」を動かしながら確実に目的地に到達しなければなりません。そのための経営の観点が「組織」「教育活動」「教育環境」の3観点です。

 つまり、学校は「組織」を整え、子どもたちを取り巻く「教育環境」、つまり直接指導にあたる教職員をはじめ、家族を含めた地域の方々など子どもたちを取り巻く大人と、教室や校内の施設など物的な環境を整備し、学習指導や学校行事など子どもたちが活動する全てのこと「教育活動」を展開し、めざす子供の姿に近づくことが学校経営の基本です。

わかりやすいように不登校への対応を例にとって説明します。

 不登校への取組の全体構想を考える場合、まず、次の図 のように、不登校への取組に係る事柄を「組織」「教育課程」「環境」の3観点で分類します。

次に、不登校の未然防止(生まない取組)、不登校になってからの対応に分けます。さらに、上図 の事柄を関係に考えながら全体構想を策定していくと次の図のようになります。

この全体構想を教職員全員で共通理解し、不登校への対応を行うことになります。。不登校対応の詳細については生徒指導のカテゴリーで詳しく述べます。

 このように、教育課題を「組織」「教育活動」「環境」の3観点で捉えることが課題解決の「仕組み」を想像する第1歩だと考えます。

  

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